(株)LDF(産学連携研究センター内)と、拓殖大学工学部デザイン学科アルバレスハイメ教授は合同で、毎年レーザー加工機を用いたプロダクトデザイン(PD)の共同演習を行っています。
2023 年度前期のPDⅢ・演習は、3年生 22 名を対象に、4 月から 7 月まで2グループに分けて5 回ずつの演習を実施しました。
今回のテーマは「つつみ」。
(株)LDF が母体となっている一般社団法人ファブデザインアソシエーション(FDA)の理事でもある王偉忠さん(デザイン学科・竹末研卒業生)が代表取締役を務める(株)LooCo の協力を得た「マーケティング」を意識したコンペ方式の課題に取り組み、7 月 19 日に最終プレゼンで審査され、3 名が表彰されました。
(株)LooCo は、レーザー加工機を使ったスマホ周辺機器等の企画・デザイン・卸売・小売をはじめとしたビジネスをネット中心に展開している八王子市内にある企業。
つつみ(包)という言葉は、中国ではよく使われていて、「モノ」を携帯するときの入れ物、袋、カバーなどを指します。実際に(株)LooCo でも色々な「包」商品を取り扱っています。
そこで今回の演習では、(株)LooCo の新商品の「つつみ」をテーマに学生たちが企画を考えます。そして、同社提供の「革」材料を使ってレーザー加工機で商品を制作し、コンペ形式のプレゼンを最終日に行うスケジュールで進みました。
演習に先がけ、まずは(株)LooCo の王さんによる講義が行われました。学生時代から起業して、年商 10 億の企業までに成長した会社の紹介にはじまり、「マーケティング」を意識したものづくりについての考え方を話されました。受講した学生たちは熱心に耳を傾け、終了後には活発な質疑応答も行われました。
なお、今回受講した学生たちは、2年生の PDⅡ・演習ですでにレーザー加工機を使った基本演習を経験しています。(一部、未経験学生には補習を実施)
学生たちはその後、調査・研究を行い、アイデアスケッチや模型試作等のブラッシュアップを繰り返しました。レーザー加工機で革をカット・彫刻し、手縫いやボタンつけなどをして、作品を完成。
最終日のプレゼンでは、審査員に(株)LooCo 代表取締役・王偉忠さん、FDA 理事長・竹末俊昭さん(元デザイン学科教授)、(株)LDF/CEO・夏山一彦さんが顔を並べ、学生の発表ごとにそれぞれコメントや講評を行いました。
審査の結果、LooCo 賞として荒殿遼太郎くん、FDA 賞として千脇義己くん、LDF 賞として長田楽瑛莉さんの3名が選ばれ、表彰されました。
◆LooCo 賞・荒殿遼太郎君「FROG」(王さんのコメント)
「荒殿君の考えた自転車アイテムという目のつけ所とデザイン性がよかったです。うひと工夫すれば商品化の可能性もあるかと思います。今回はコンペ形
式なので、本人に興味があれば、当社で試作品を作るための会議に参加してもらって、さらにブラッシュアップして商品化を目指せればと思います。
◆FDA 賞・千脇義己君「COWPSULE」(竹末理事長のコメント)
「千脇君の作品のデザイン性・完成品のクオリティは素晴らしかった。カスタマイズできるところもよかった。長さが調整できるバリエーションがあるとさ
らに用途が増えてよかったかなと思います」
◆LDF 賞・長田楽瑛莉さん「かえるのおとも」(夏山 CEO のコメント)
「長田さんの作品のアイデアは、子供や障害者だけではなく、これからの高齢者社会に向けてお年寄りにも使える商品なので、市場性が高いと思いました」
以下、学生たちの「つつみ」課題作品の一部をご紹介。
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