レーザービジネス・スタートアップのための10のチェックポイント
チェックポイント2 失敗しない資金調達
モノやサービスを購入するときには代金を支払わなければなりませんが、「チェックポイント2 失敗しない資金調達」ではレーザー加工機の購入資金の調達から補助金の活用までをアドバイスしますので参考にしてください。
資金調達の種類
資金調達は、大きく分けて現金購入、分割払い、リースの3があります。
■現金での購入
現金での購入ということは、自己資金又は借り入れによることになりますが、スタートアップの個人が金融機関からの借り入れを予定している場合は、先ずはしっかりした事業計画を作成したうえで法人登記をしてから公的金融機関等がおこなっている創業支援プログラムを利用して無担保、無保証で低利融資を受けることをお勧めします。
①自己資金
②金融機関からの借り入れ
③親戚、知人等からの借り入れ(法人の代表者等役員からの借り入れを含む)。
■分割払い(信販会社クレジット/ローン)での購入
■リース契約(リース会社又は公的機関とのリース契約)
経理面で注意しなければならないのは、自己資金又は分割払いで購入したレーザー加工機は資産として減価償却することになりますが、リース契約の場合はリース料金を支払ってリース会社からレーザー加工機を借りることになるので、損金処理をすることになります。すなわち、利益が出ている会社はリース料金を経費で処理することができるのでリースで導入した方が得だということになります。(経理処理方法によっては例外もありますので顧問税理士に確認が必要です。)
個人経営のスタートアップの方から「レーザー加工機をリースで購入できないか」との相談を受けることがよくありますが、一般的には、個人経営者が相応以上の資産があるとか、利益をたたき出していない限り、リース契約することはむつかしいでしょう。一般的な中小企業がリースで購入しょうとする場合は、先ずは取引金融機関に相談して系列リース会社を紹介してもらうのがいいでしょう。というのは、取引金融機関は日頃の銀行取引でリース申し込み企業の信用状況を把握しており、比較的審査が簡単で通りやすいと言えます。レーザー加工機の販売先が紹介する民間リース会社の場合は、そのリース会社からすると初めてのリース案件になりますので、決算書2期分、連帯保証人(通常は代表者)の収入証明、場合によっては代表者以外の第三者保証人等々、要求される書類も多いし審査基準も厳しく、最終的に審査が通らなかったということもあり、腹立たしくなることもあります。
補助金
中小企業が設備投資を行う場合、その事業の内容が国や地方自治体による行政施策に合致している補助事業の場合は、事業予算の1/3~2/3が補助されます。ただ、補助金を利用しようとする場合には、次のことを理解しておかなければなりません。
・補助金を申請してから採択されるまで、そして採択されてから補助金等が銀行振り込みされるまでは数ヶ月を要するので、それに合わせて資金計画や事業計画を立てる必要があります。補助金が出る前にレーザー加工機等の支払を済ませている証明書を要求されることも多く、自己資金の準備又は金融機関からのつなぎ融資を受けなければなりません。
・補助金の申請書類は取引銀行や商工会等に相談して要領よく適切に記載しなければなりません。熱い気持ちで時間をかけて記入しても、なかなか採択されないのが現実です。採択の可能性を高めるために、補助金等の申請書類の作成を代行業者に依頼することもありますが、成功報酬であっても法外な手数料を要求されることも多いので要注意です(基準以上の代行手数料は経費として認められないだけでなく、それ以上の手数料を支払ったことが調査で判明したときには採択後や、補助金が支払われた後であっても採択が取り消され、補助金の返還も求められることもあるようです)。
ただ、補助金の種類によっては、程度の差はあれ、申請時や採択決定後に多くの書類を作成して提出しなければならず、初めて補助金を申請する場合には、書類の準備や採択後の事務局への報告で思った以上の時間がかかるということもあります。手数料が法外でないかぎり、申請関係書類の作成に経験と採択実績の豊富な信頼できる代行業者に任せた方がいいでしょう。
・以上のことからすると、1、2百万円以下の比較的少額のレーザー加工機を導入する補助事業であれば、関係書類の準備や、申請代行業者への手数料等を勘案すると、自己資金やリースまたは、超低金利のメリットを活かして制度資金を活用した金融機関からの借り入れで購入することをお勧めします。例えば、数十万円~百万円程度の補助金のために、申請書類作成の手間や代行手数料を支払ったにも拘わらず、補助金申請が採択されなかったとなると泣くに泣けません。ただ、もっと高額なレーザー加工機を導入するのであれば、採択された場合には数百万円又は以上の補助を得ることができるので、補助金申請をしてみる価値が大いにあるでしょう。
以上
※次回のチェックポイント2は「スタートアップ成功事例、失敗事例」を予定しています。
参考 弊社ホームページ「よくわかる資金調達」
https://laser-kakouki.com/sikin_tyoutatu