成功の最低必要条件

【決して甘いビジネスではない】
店舗や工房を構えれば黙っていてもお客さんが来てくれるのかといえばそうではありません。やはり工夫が必要です。結論から言えば、店舗の立地条件が良かったり工夫に思い切ったものがない限り、加工ビジネスとして新規に独立店を開業しても、期待通りの収益は思ったよりも上がらないと思っておいた方が良いでしょう。
開業当初から巷の成功例はありますが、それは、それなりの店舗立地条件や商品加工ノウハウ等を有していたからであり、その経営者自身、直接、間接に時間や金の投資をしてきています。ただ、よほど大きな問題がない限り、店舗や工房を構えていれば年を重ねるにつれて通りがかりの顧客や口コミの顧客が増え、固定顧客も増えてくるでしょう。
それでは、レーザー彫刻ビジネスはそんなに妙味のないビジネスなのか？　いい
え、そんなことはありません。店舗とレーザー彫刻システムさえあれば楽に成功するというビジネスでは決してないということですが、近年はインターネットを活用した成功例や時代背景をうまく活用して地方団体や大手企業から大量のレーザー加工を受注して数台のレーザー彫刻機をフルかつようさせている例もあります。
反面、収益や顧客獲得において業態改革が急務とされている印章、文具、写真ラボ等の文字や写真関連の店舗を既に運営している場合は、レーザー彫刻ビジネスとの複合ビジネスにより、収益、既存顧客の囲い込み、新規顧客の獲得等において既存ビジネスとの大きな相乗効果が期待できるでしょう。

【なぜ売れないのか？－ある実例】
商品やサービスを販売する人は当然のことながらその販売商品の専門知識を有している同時に、その商品は「良い商品」だと思っており、店頭やチラシ、ホームページ上で露出することによりその商品の良さを顧客にわかってもらおうとします。
レーザー彫刻商品について言えば、レーザー彫刻機を導入してレーザー彫刻ビジネスを展開しょうとするくらい「良い商品だから買って欲しい」という経営者やスタッフの熱意があり、「お客様もその良さをわかってくれるはず」という気持ちが強いと言えます。
ところが、「なかなか売れない。数ヶ月店頭に陳列していても売れずに埃りをかぶってしまう。仕方がないから店頭から下げよう」また、「ネットでの掲載からがずそう」
というケースが多々あります。
なぜ売れないのでしょうか？　レーザー彫刻機のユーザーであればそのような経験がある方も読者の中には少なからずいると思われます。
数年前のことであるが実際にこういうケースがありました。１０年程前にレーザー彫刻機を導入した地方都市の某印章店を久しぶりに訪問しました。その店は駅近くの商店街にあり店舗スペースで１０坪程度で、店頭の一番良い場所にレーザー彫刻コーナーを設け、記念品を中心としたレーザー彫刻商品を陳列していました。
その店に入った瞬間、私は「ああ、レーザー彫刻商品売れていないな」と感じました。そこで私は開口一番「どうですか、レーザー商品、売れていないでしょう？」と聞いてみたところ「そうなんです。なかなか売れないんですよ。どうしてでしょうかね」と苦笑していた。私は別に店舗企画の専門家でもなければ店舗アドバイザーでもありません。ただ、永年に亘り,「印章ビジネスを活性化させる」レーザー彫刻機のメーカーの営業統括責任者兼営業マンとして数百の全国の印章店を訪問しながら、どのようにすれば売れるようになるだろうかと印章店と一緒に考えてきた経験が「こんな商品、店は売れる」という直感と売れる仕組みづくりがわかるようになったのだと思います。
某印章店のケースについての売れない原因は後程じっくりと考察してみましょう。　
因みに、この印章店は、その時の私のアドバイスを多少なりとも参考にして頂いたのか、それから数ヶ月ほど後に訪問した時にはまさに来店客を魅了する素晴らしい店になっていました。