
レーザー加工機ドットコムをご覧の皆様こんにちは!
LDFでxToolを担当している、新人といいます。
xToolからのまさかの新作発表ラッシュ!
「F2 Ultra」から始まり、「P3」に「RA3」、「AP2 MAX」と続々と新情報が解禁されています!
- 今までの「F1 Ultra」や「P2S」とは何が違うの?
- 旧機種と新機種、どっちを買うべき?
こんな疑問について回答していきます!
– もくじ –
1,「F2 Ultra」と「F1 Ultra」はどう違う?
2,F2 UltraとF1 Ultra、どっちを買うべき?
3,「P2(S)」と「P3」はどう違う?
4,P3とP2S、どっちを買うべき?
1,「F2 Ultra」と「F1 Ultra」はどう違う?
簡単に言えば、より強く、より早く進化しました。
![]() |
F1 Ultra 20W ファイバーレーザー 加工領域:220x220 (コンベヤ装着時 220×500) 最大加工速度:10,000 mm/s |
![]() |
F2 Ultra 60W MOPAファイバーレーザー 加工領域:220x220 (コンベヤ装着時 220×500) 最大加工速度:15,000 mm/s |
2種類のレーザーが搭載されているFシリーズの特徴はそのままに、レーザー出力が底上げされました。
ファイバー、ダイオードともに20wだったところが、ファイバーは60w、ダイオードは40wにまでアップ。
ダイオード40wといえば、S1の最上位機種と同じ出力ですね!
さらに注目すべき点は、MOPAファイバーレーザーを搭載した点です。
聞き馴染みがないかとは思いますが、最近続々と出始めている最新技術を駆使したレーザーです。
簡単に説明すると、レーザー光の周波数とパルス幅を調整することができ、それによって熱を加えない加工(非熱加工)や超微細加工が可能となる技術です。
LDFでも新しくMOPAレーザーの販売を開始しましたので是非ご覧ください!MOPAのもう少し詳しい説明も載ってます。
~その他のマイナーチェンジ
- シングルレーザー(ファイバーのみ)/デュアルレーザー選択方式に変更。
- AIによる素材の自動認識機能
- デュアルカメラを採用。より緻密な位置決めが可能に
2,F2 UltraとF1 Ultra、どっちを買うべき?
これまでいくつもの進化した特徴を紹介しましたが、レーザー加工機を買おうか悩んでいる、もしくは今P2/F1 Ultraを使っていて買い換えようか悩んでいるという方は、高額だけど機能性の高い新機種を買うか、多少安く旧機種を使うか、この悩みが常につきものだと思います。
機能面とコスト面を比較して、どちらを買うべきか、用途ごとに説明します。
![]() |
F2 Ultra819,630 |
![]() |
F1 Ultra572,000 |
※xTool公式サイト(2025/09/29)より引用。価格変動あり
だいたい25万円ほどの差があります。これはかなり大きい差ですね。
-
20W ファイバーと60W MOPAでの比較
パワーが40Wも増加したF2Ultra(以降F2)ですが、正直、家庭用レーザーとしてこのパワーは持て余してしまう気がします。
パワーが強いと、厚い素材をカットできるようになりますが、そもそも、Fシリーズのようなガルバノスキャニング方式のレーザーではカットした断面が斜めになってしまいます。これは素材が厚いほど顕著に出てしまうので、パワーの大きさは裏目に出てしまうでしょう。
もちろん、パワーが強いほど早く加工することができるという利点もあります。金属や石などのかたい素材をより早く加工したいという場合には有効でしょう。かつて時間がかかっていた3D彫刻は短い時間で完了するかもしれません。
また、MOPAファイバーレーザーになったことで、より細かな調整ができるようになりました。より細かい彫刻や、熱を加えない加工(非熱加工)が可能で、カラーマーキングも以前より色幅が広く、均一な色が出やすいです。
非熱加工では、F1ではうまく発色しなかった樹脂素材にもきれいに彫刻することができます。
きれいに彫刻できるとは言いましたが、個人的にはこの差は素人目線では大差ないような気もします。顕微鏡で確認してやっとわかるくらいかもしれません。とても小さいデータの彫刻や、専門的な分野で精度を求めるような場面では活躍するのではないでしょうか。~結論~
F2はパワーが強いので3D彫刻は早く終わるかも
MOPAの技術は専門分野では活躍するかも。一般使用ならF1で十分に感じる。 -
20W ダイオードと40W ダイオードでの比較
F2の40Wダイオードはオプションで追加するシステムなので、つけるかつけないかで迷うこともあるでしょう。
ファイバーでは主に金属、樹脂を加工できますが、ダイオードならほかにも木材、紙、布なども加工が可能になります。
ただ、前項でも説明した通り、パワーが強くてもカットには向かないので、ファイバーよりもさらに意味がないように思います。
スピードが速くなるとしても、パワーを上げた分熱が入りすぎて、焦げる、溶ける、反るなどで逆に不明瞭な彫刻になる可能性があります。~結論~
20Wダイオードのままでよかった気がする
3,「P2(S)」と「P3」はどう違う?
レーザー出力、サイズ、スピード、機能すべてが進化!
![]() |
P2S 55W CO2レーザー 加工領域:600x305 (コンベヤ装着時 500×3000) 最大加工速度:23.6 ips (600 mm/s)、X軸加速度 6400 mm/s² |
![]() |
P3 80W CO2レーザー 加工領域:915x458 (コンベヤ装着時 600x無限) 最大加工速度:47.2 ips (1200 mm/s)、X軸加速度 19600 mm/s² |
レーザーパワーが55Wから80Wに。加工範囲はついに1m近い大きさに拡張。スピードは倍以上に進化しました。
一度の切断で切れる厚さは驚異の25mmに(アクリルの場合。中国メーカーは割と雑にスペックを記載するので実際は15mmくらいがいいとこな気もします、、、)
さらに、いくつかの革新的な新機能が追加されました。
-
コアワークフロー
4つのカメラと8つの赤外線センサーを搭載したことにより、素材を認識する機能が向上しました。
オートポジショニングで自動的に素材上にデータを配置し、オートフォーカスで自動的に距離を計測、さらにはオートリフトベース機能で底板が自動的に上下し、最適な距離へ調整してくれます。
人の手でいちいち設定を変える必要がなくなってしまいました。 -
安全システム
4つのカメラと8つの赤外線センサーに加え温度センサーを使った高度なシステムを搭載し、機械内を常に監視します。
さらに、内蔵のCO2消火装置でいつでも消火可能です。 -
ロータリー制御:MagSwapロータリー RA3
ロータリーのRA2がRA3に進化しました。彫刻可能な直径が100mmから130mmに拡張。
これまで一つ一つねじ止めで、組み換えにかなりの時間を要していましたが、新たに発明されたMagSwap技術によって、マグネットでの簡単な組み換えを可能にしました。
360°LiDARマッピングで対象物を3Dモデリングし、曲線のある花瓶のような物体やコップのような持ち手のある物体などでも間違いなくデータを配置できます。
同じ形状の物体なら、いくつも並べて同時に加工することも可能です。 -
インテリジェントコンベヤフィーダー
コンベヤフィーダーも進化しました。
P2シリーズのコンベヤフィーダーといえば設置がめんどくさいでおなじみでしたが、P3用コンベヤフィーダーは一度取り付ければ取り外す必要がなく、いつでも使いたいとき使えます。
初期装備だけでも600×1500という圧倒的な加工範囲を誇りますが、追加の延長レールを取り付けることで、加工範囲は実質無限になります。
前機種では長い加工素材の先頭しか確認することができず、データ設置に手こずりましたが、加工素材全体の画像を撮影しデータ調整できるようになりました。
また、加工できる厚さが14㎜から26㎜まで拡張され、クランプ(ローラーを押さえつける圧力)が自動で調整されます。
~その他のマイナーチェンジ
- ライザーベースがなくなり、一体型となりました。
- オプションで5W赤外線レーザーを取り付けられます。金属やプラスチックのマーキングにむいています。
- レーザーの安全基準が最高クラスのクラス1レーザーに認定されています。
- 焦点レンズを入れ替えて、スポットサイズを変更可能になりました。
4,F2 UltraとF1 Ultra、どっちを買うべき?
P3とP2についてもコストを含めて比較していきましょう。
![]() |
F2 Ultra1,057,540 |
![]() |
F1 Ultra609,100 |
※xTool公式サイト(2025/09/29)より引用。価格変動あり
こちらは40万円ほどの差が。これは慎重に選ばないといけませんね。
比較内容
全体的な機能で見ると、すべてにおいてP3が上を行っています。P2の正統後継機種としてしっかりと進化を感じられますね。
P3を買わない手はないように感じられますが、思わぬ落とし穴があります。それは、大きすぎるところです。
P2の寸法が「1000 mm × 639 mm × 268 mm」なのに対し、P3の寸法は「1250 mm × 780 mm × 496 mm」と、横幅は25㎝、縦幅は14㎝ほど大きくなっています。
ただでさえ大きいP2がさらに大きくなったと来たら、一般家庭ではなかなか置き場を捻出することができないでしょう。
P3は日本の家庭ではなく、アメリカなどのDIY層に向けた機種なのかと思います。
実際、xToolの展示会にてxTooljapanの社員さんに質問してみましたが、アメリカではxToolの販売数が多く、アメリカでの販売を意識しているという回答をもらいました。
日本では企業、工場向けにP3が売れていくような気がします。
~結論~
機能はすごいけど、アメリカンサイズ。
日本の一般家庭向きではない。
ということで、比較とそれに対する私の意見を述べてみました。
参考になりましたでしょうか。
どんどんと進化するレザー市場で、間違いなく世界をリードしているxTool。
今後も続々と新機種が発表されることでしょう。
次はどんなわくわくする機能が搭載されるのか、今から楽しみで仕方ないですね。
その時はまた解説しようと思うので、お見逃しなく!
F1 Ultra興味出てきたけど、うまく扱えるか分からない…
買ったはいいけど置物と化してしまった…
英語ばかりで、メンテナンスや故障が心配…
そんなお悩みを持った方
株式会社LDFでは、体験会、イベント、サポートと大充実のサービスを提供しています!
これを機に興味を持たれた方は是非ご覧ください!
▶xToolについてはこちら
ご覧いただきありがとうございました!